Etsy偽サイトの詐欺とは？返金請求方法や見分け方・出店勧誘の危険性を解説

「スマホ一つで簡単に稼げる」「未経験から月収100万円」。そんな魅力的な言葉に惹かれ、Etsyの開業に興味を持ったものの、「これって本当に安全なの？」「もしかして詐欺じゃないか？」と一歩踏み出せずにいませんか。

その直感は非常に重要です。残念ながら、ネットでの店舗開業の夢に付け込む悪質な詐欺は数多く存在し、多額の金銭をだまし取られる被害が後を絶ちません。

特にEtsyの名前を騙ったサイトは多く、偽サイトによる詐欺が多発しています。

この記事では、Etsyを悪用した詐欺について、その具体的な手口から、危険な業者を即座に見抜くためのチェックリスト、そして万が一被害に遭ってしまった場合の返金請求方法まで、網羅的に解説します。

Etsyとは？なぜ詐欺に悪用されるのか

Etsy偽サイトによる詐欺は、言葉巧みに被害者を誘導し、様々な名目で金銭をだまし取る犯罪です。特に、在庫を持たずに商品を販売できる仕組みが悪用されるケースが目立ちます。

詐欺師は、一見すると非常に魅力的なビジネスモデルを提示してきますが、その裏には巧妙に仕組まれた罠が隠されています。具体的には、以下のような手口で被害者を追い込んでいきます。

Etsyとは？

URL	https://www.etsy.com
運営会社	Etsy, Inc.
所在地	不明
ライセンス	不明
登録国・地域	不明
メールアドレス	不明
電話番号	不明
代表者名	Ian Ho, Terence Pang

Etsy（エッツィー）は、アメリカ発のハンドメイド作品・ヴィンテージ品・クラフト素材などを中心に扱う世界的なオンラインマーケットプレイスです。個人クリエイターや小規模ブランドが直接出店できる点が大きな特徴で、日本でもハンドメイドアクセサリーやアート作品を販売する場として利用されています。Amazonや楽天と違い「一点もの」や「オーダーメイド」の商品が多く、ユニークなアイテムを求める購入者に人気があります。公式サイトやアプリを通じて、誰でもアカウントを作成し出品・購入が可能です。

Etsyが詐欺に使われやすい理由

一方で、この「誰でも簡単に出店できる仕組み」や「国際的な利用者層の広さ」が、詐欺グループに悪用される要因となっています。

• 偽ショップやなりすまし
  有名ブランド風の名前や画像を使った偽アカウントを作成し、実際には存在しない商品を掲載するケースがあります。購入後に商品が届かない、粗悪品が送られるといった被害が報告されています。
• 決済や配送を装ったフィッシング
  Etsyを名乗る偽メールや偽サイトで「支払い確認」や「配送状況更新」を装い、クレジットカード情報やログイン情報を盗む手口も広まっています。
• 出店勧誘を利用した詐欺
  「Etsyで簡単に稼げる」とSNSなどで勧誘し、実際には高額な講座や不正サイトに誘導する詐欺も存在します。公式とは一切関係のないケースですが、Etsyの知名度が利用されやすい状況です。

つまり、Etsy自体は正規のプラットフォームですが、その認知度と仕組みの開放性を逆手に取って、詐欺師が「Etsyをかたる」事例が後を絶ちません。利用者は、公式アプリや公式ドメイン（etsy.com）以外からの連絡には注意することが重要です。

よくある詐欺のパターン例

詐欺のパターン	内容の説明	特徴・見分け方
商品未発送型	代金を支払っても商品が届かない	連絡先がメールのみ／会社概要が曖昧／SNS更新なし
偽物販売型	偽物や粗悪品を正規品として販売	極端に安い価格／レビューが不自然／返品不可
フィッシング誘導型	購入ページを装い個人情報を盗む	URLが正規ブランドと似ている／ドメインに不審な語句
クレカ情報窃取型	決済ページを通じてカード情報を抜き取る	決済方法が限られる／SSL証明がない or 無効
高額請求・自動課金型	小額購入後に勝手に継続課金される	利用規約が不明／解約手続きの説明がない
返金拒否型	初期は応対するが最終的に返金されない	サポート対応が曖昧／所在地が海外で連絡困難

Etsy公式からも注意喚起が行われている

まず、Etsyは公式ヘルプ内で「フィッシング詐欺から身を守る方法」を公開しており、不審なメッセージには返信せず「報告」機能を使うこと、そして正規のEtsyからの連絡は「From Etsy」フォルダに届き、必ず「Etsyスタッフ」のバッジが付くことを明確にしています。さらに、Etsyはパスワードやクレジットカード情報といった機密情報を決してメッセージで要求しないと強調しています。

また、アカウントが不正操作された可能性がある場合には、すぐにパスワードを変更し、二段階認証（2FA）を有効化するよう推奨しています。新規にショップを立ち上げた出店者が詐欺グループに狙われやすいため、コミュニティフォーラムでも「詐欺が増加している」と繰り返し警告が出されています。

実際の被害報告を見ても、「Etsyを名乗る偽メールを受け取った」「出品後すぐに詐欺まがいのメッセージが来た」といった声が多く寄せられています。これらはすべて、公式のガイドラインを確認すれば見分けられるケースがほとんどであり、Etsyも利用者に対して注意を怠らないよう呼びかけています。

つまり、Etsyを利用する際は必ず公式サイト（etsy.com）や公式アプリからアクセスし、正規の「Etsyスタッフ」マークのないメッセージには十分警戒することが重要です。公式の注意喚起を把握し、日常的に詐欺対策を実践することで、安全にサービスを利用することができます。

Etsyの出店勧誘による詐欺とは

ネット出店にまつわる詐欺は、言葉巧みに被害者を誘導し、様々な名目で金銭をだまし取る犯罪です。特に、在庫を持たずに商品を販売できる仕組みが悪用されるケースが目立ちます。

「誰でも簡単に稼げる」「出店代行します」「初期費用無料」といった甘い言葉で出店希望者を誘い、高額なサポート料金や登録手数料をだまし取る手口です。特にSNSや広告、DMなどを通じて、「Etsy公式パートナー」を名乗る業者が接触してくることが多く、一見すると本物のように見える巧妙な演出がされている場合もあります。

詐欺師は、一見すると非常に魅力的なビジネスモデルを提示してきますが、その裏には巧妙に仕組まれた罠が隠されています。具体的には、以下のような手口で被害者を追い込んでいきます。

出店希望者を狙った詐欺（出店勧誘型）

手口	内容
出店代行詐欺	「初期費用無料で出店代行します」と勧誘し、後から高額なサポート費用を請求。
アカウント譲渡詐欺	「すでにフォロワーの多い販売アカウントを譲ります」と言って金銭を受け取り、何も渡さずに音信不通。
コンサル詐欺	「Etsyで月収100万円稼げる方法を教えます」と称し、情報商材や講座に誘導して高額課金させる。
偽サポート連絡	「出店に不備がある」と偽ってメール・DMを送り、ログイン情報を盗みアカウントを乗っ取る。

Etsyを使ってネットショップを開設したいという初心者を狙った「ネットショップ運営詐欺」が増加しています。これは、SNS広告やLINE、YouTubeなどを通じて「無料で出店できます」「副業支援」「テンプレートを提供します」といった甘い言葉で勧誘し、最終的に高額な費用を請求する手口です。

たとえば、「出店支援」と称してテンプレート料・サポート料・集客代行費用などの名目で数十万円を要求されたり、継続的なコンサル契約を結ばされたりする事例が報告されています。さらに悪質な場合は、出店希望者の名義や情報を利用して、実態のない詐欺ショップを勝手に開設されるケースもあります。

詐欺業者は「出品から販売まで全て代行」「すでに成功しているアカウントを譲渡」などと言って信用させ、後に音信不通になるケースも報告されています。実際にはEtsyへの出店は公式サイトから自分で行うことが可能であり、第三者に高額な手数料を払う必要はありません。

Etsyの出店勧誘を名乗る詐欺は、「海外ECに出店して稼ぎたい」という心理を突いた悪質な手口です。実際のEtsyeは公式サイトやアプリを通じてのみ出店受付を行っており、SNSや個別メッセージで直接勧誘してくることはありません。少しでも不審に思った場合は、必ず公式サイトで正規の情報を確認することが重要です。

このような詐欺に巻き込まれないためにも、「簡単に儲かる」「登録だけで利益が出る」といった誘い文句には十分注意し、必ず公式の情報源から確認することが重要です。

Etsyを使った他の詐欺のパターン

Etsyを使った他の詐欺のパターンを利用した詐欺は多様化しており、販売者・購入者・出店希望者・インフルエンサーなどあらゆる立場の人が標的になります。以下に代表的な詐欺パターンを整理してご紹介します。

1.偽ブランド商品の販売

有名ブランドのロゴやデザインを無断で使用した商品を「ハンドメイド風」や「ヴィンテージ品」として販売するケースです。購入者は正規品と思い込んで注文しますが、届くのは偽物や粗悪品。クレーム対応もなく、ショップ自体が短期間で消えることが多いのが特徴です。

2. 架空の商品掲載

実際には存在しない商品を掲載して注文を集め、入金後に商品が発送されないまま連絡が取れなくなるケースです。国際取引を装うことで、配送遅延などを理由に時間を稼ぎ、返金を困難にします。

3. Etsy名義のフィッシングサイト誘導

「Etsyでの取引に関する確認」や「配送手続きの更新」を装った偽メール・偽SMSで、ユーザーを模倣サイトへ誘導する手口です。そこでクレジットカード情報やログイン情報を入力させ、盗み取られる被害が報告されています。

4. Etsy出店者を狙う詐欺

新規に出店したセラーに対して「追加登録料が必要」「本人確認のために情報を送れ」などと偽メッセージを送り、個人情報や銀行口座情報を抜き取る手口です。Etsy公式はこうした請求を行わないため、すべて偽装です。

5. Etsyを利用した副業詐欺

SNSやマッチングアプリ経由で「Etsyで簡単に稼げる」と勧誘し、実際には高額なマニュアルや講座費用を請求するケースも存在します。Etsyのブランドを信じてしまう初心者が狙われやすく、典型的な「副業詐欺」の一種です。

Etsyの偽サイト一覧

以下は、Etsyを装った偽サイト（詐欺目的のフェイクドメイン）の代表例と特徴です。被害を防ぐためにも、URLや誘導手口には十分注意しましょう。

Ets-us.store

URL	https://ets-us.store
ドメイン名	Ets-us.store
レジストラ	Namecheap
登録日	2025年5月9日
登録国・地域	不明（WHOIS匿名化）
登録者	非公開

ドメインの信頼性に関して、ここから分かることは以下の通りです。

この ets-us.store は、正規のETS（Educational Testing Service）とは無関係の、詐欺・フィッシング目的の偽装ドメイン です。

• 新規登録
• 正規のブランド名を利用
• 「us」「store」などを付けて公式と誤認させる命名
• 匿名化・Cloudflare利用

といった危険サインがすべて揃っています。

Etsyvipstore.com

URL	https://etsyvipstore.com
ドメイン名	Etsyvipstore.com
レジストラ	Gname.com Pte. Ltd.
登録日	2025年2月27日
登録国・地域	CN（中国）
登録者	匿名化（Redacted for privacy）

ドメインの信頼性に関して、ここから分かることは以下の通りです。

この etsyvipstore.com は、明らかに Etsyの公式ブランドを騙る詐欺サイト です。

• 新規登録
• 中国匿名登録
• 「VIP」「store」といったユーザーを惹きつけるワードの追加
• Cloudflareを利用した隠蔽

という典型的な危険サインがそろっています。

こうした偽サイトは、

• 正規のEtsyログイン画面を模倣して アカウント情報を盗む
• 偽ショップを表示して 商品代金を騙し取る
• クレジットカード情報を入力させて 不正利用

といった被害につながる可能性が高いです。

Etsyshopingjp.net

URL	https://etsyshopingjp.net
ドメイン名	Etsyshopingjp.net
レジストラ	Gname.com Pte. Ltd.
登録日	2025年2月27日
登録国・地域	CN（中国）
登録者	匿名化（Redacted for privacy）

ドメインの信頼性に関して、ここから分かることは以下の通りです。

この etsyshopingjp.net は、Etsyのブランドを騙って日本人ユーザーを狙う詐欺サイト です。

• 新規ドメイン
• タイポミスを利用した紛らわしい名称
• 「JP」を付けて日本公式を装う
• 中国匿名登録 & Cloudflareで秘匿化

という危険要素が揃っています。

詐欺サイトの典型的な手口として、

• 偽ショップを表示して購入代金を騙し取る
• 偽ログインページでEtsyのID・パスワードを盗む
• クレジットカード情報を不正利用する
  といった被害が想定されます。

etsyshopingjp.netは公式Etsyとは無関係の詐欺サイト であり、アクセス・登録・購入は絶対に避けるべきです。

Etsyvip.com

URL	https://etsyvip.com
ドメイン名	Etsyvip.com
レジストラ	Gname.com Pte. Ltd.（シンガポール系、詐欺サイトで多用される）
登録日	2024年11月15日
登録国・地域	CN（中国）
登録者	匿名化（Redacted for privacy）

ドメインの信頼性に関して、ここから分かることは以下の通りです。

この etsyvip.com は、Etsy公式の特別ストアやVIPサービスを装ってユーザーを誘導する詐欺サイト です。

• 新規登録
• 中国匿名登録
• 「VIP」で特別感を演出
• ドメイン停止状態

という複数の危険要素を備えており、正規のEtsyとは一切関係ありません。

被害パターンとしては、

• 偽ログイン画面でアカウント情報を盗む
• クレジットカード情報を入力させて不正利用
• 偽商品販売で代金を騙し取る

といった手口が考えられます。

etsyvip.comは詐欺目的の危険ドメイン であり、アクセスや登録は絶対に避けるべきです。

etsyjpvip.net

URL	https://etsyjpvip.net
ドメイン名	etsyjpvip.net
レジストラ	Gname.com Pte. Ltd.
登録日	2024年11月15日
登録国・地域	CN（中国）
登録者	匿名化（Redacted for privacy）

ドメインの信頼性に関して、ここから分かることは以下の通りです。

この etsyjpvip.net は、

• 新規取得ドメイン
• 「JP」「VIP」で日本人ユーザーを狙う偽装
• 中国匿名登録
• ドメイン停止状態

という危険要素がすべて揃っており、Etsy公式サービスとは一切関係のない詐欺サイト です。

被害パターンとしては、

• 偽ログイン画面で Etsy アカウント情報を盗む
• クレジットカード情報を入力させて不正利用
• 偽ショップで代金を騙し取る

といった手口が想定されます。

etsyjpvip.net は日本人ユーザーを狙った危険な詐欺ドメイン であり、アクセスや登録は絶対に避けるべきです。

Etsyの詐欺や偽サイトを見分ける方法

Etsyを安全に利用するには、詐欺サイトや偽ショップを見分ける力が不可欠です。見た目が洗練されたデザインや、整った商品ページ、レビュー欄が充実しているからといって、すべてが信頼できるわけではありません。最近では、テンプレートやAIツールを活用して本物そっくりの詐欺ショップが短期間で作られているため、利用者側のリテラシーが重要になっています。

まず確認すべきは、特定商取引法に基づく表示の有無とその内容です。会社名、所在地、連絡先、責任者名が明記されているか、Googleマップなどで実在性を調べるだけでも見抜ける詐欺があります。また、「極端に安い価格設定」「日本語の不自然な文体」「支払い方法が銀行振込のみ」といった特徴があれば、特に注意が必要です。

そのほか、URLに不審な単語が含まれていないか、通信がSSL（https）で保護されているかといった基本的な確認も欠かせません。被害を未然に防ぐには、衝動買いを控え、まず冷静に情報をチェックする習慣を持つことが大切です。

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Etsyの詐欺の口コミや事例

Etsyの詐欺の口コミや具体的な事例は、具体的に以下のような内容でした。

これらはすべて詐欺業者がよく使う手口であり、偽サイトでは特に多く報告されているものです。

それぞれ順に見ていきましょう。

「高利回り保証」と勧誘連絡に要注意

ets-us.storeのような詐欺的な取引所に注意を払い、冷静な判断で自分の資産を守りましょう。

高利回りを約束する投資は詐欺の可能性が高いため、注意が必要です。

高額な投資を促す電話やメールが頻繁に送られてきます。

詐欺相談ジャパン

ets-us.storeのような詐欺的な取引所は、「必ず儲かる」「高利回り保証」といった非現実的な誘い文句で投資家を引き込みます。さらに高額投資を促す電話やメールを執拗に送りつけ、心理的に追い込むのが典型的な手口です。正規の金融機関が高利回りを確約することはなく、頻繁な勧誘自体が詐欺のサインです。冷静に判断し、少しでも不審に感じたら関わらないことが資産を守る最善策です。

初期費用を狙う詐欺的手口

「etsyshopingjp.net【EtsyShopOnline偽】」を利用して発生した被害の報告は後を絶ちません。代表的な被害の例は以下の通りです。
高額な初期費用を支払ったが、サイトが機能しない: 多くの被害者が、ショッピングサイトの開設を約束され、高額な初期費用を支払いましたが、実際にはサイトが正常に機能しなかったり、商品が全く売れない状況が続きました。

詐欺相談ジャパン

etsyshopingjp.net【EtsyShopOnline偽】では、「自分のショップを開設できる」と謳って高額な初期費用を支払わせる一方で、実際にはサイトがまともに機能せず、商品が売れることもないという被害が多数報告されています。これはEtsy公式とは無関係の詐欺的なスキームであり、初期費用を取って放置する典型的な“開設詐欺”です。正規のEtsyでは開設に高額費用は不要なため、こうした請求がある時点で詐欺と断定すべきです。

Etsy詐欺の被害に遭った場合の返金請求方法や相談先

「もしかしたら、もう詐欺に遭ってしまったかもしれない…」と気づいた時、パニックになり、どうしていいか分からなくなるかもしれません。しかし、諦めてはいけません。被害を回復し、拡大を防ぐために、迅速かつ冷静に行動することが何よりも重要です。

被害に気づいた場合に取るべき行動は、以下の通りです。

• まずは証拠を保全し、これまでのやり取りを全て記録する
• すぐに消費生活センターや警察に相談する
• 弁護士や司法書士など法律の専門家を頼る
• クーリング・オフ制度が利用できないか確認する
• クレジットカード会社や銀行に連絡する

一人で抱え込まず、これらの窓口にためらわずに助けを求めてください。行動が早ければ早いほど、お金が戻ってくる可能性は高まります。

まずは証拠を保全し、これまでのやり取りを全て記録する

被害の相談や返金交渉、法的手続きを進める上で、客観的な「証拠」が最も重要になります。相手との連絡が取れるうちに、以下のものを全て保存・記録してください。

• 契約書、申込書、パンフレットなど
• 相手のウェブサイトや広告のスクリーンショット
• メールやLINE、SNSのダイレクトメッセージのやり取り
• 通話の録音データ（可能な場合）
• お金を振り込んだ際の利用明細や振込記録

相手に詐欺だと気づかれた途端、ウェブサイトが閉鎖されたり、SNSアカウントが削除されたりして、証拠が消えてしまう可能性があります。少しでも「おかしい」と感じた時点で、すぐにこれらの情報を保全する習慣をつけましょう。これらの証拠が、後の相談や交渉を有利に進めるための強力な武器となります。

すぐに消費生活センターや警察に相談する

被害に遭ったかもしれないと感じたら、一人で悩まずに公的な相談窓口に連絡してください。どこに相談すればよいか迷った場合は、まず以下の窓口に電話しましょう。

消費者ホットライン「188」

「いやや！」と覚えてください。政府広報オンラインでも紹介されている通り、消費生活に関するトラブル全般について相談できる全国共通の窓口です。専門の相談員が、問題解決のためのアドバイスや、クーリング・オフの手続き支援、他の専門機関の紹介などを行ってくれます。契約上のトラブル解決に向けた具体的な助言が期待できます。

警察相談専用電話「#9110」

詐欺事件として刑事事件化（犯人の逮捕）を望む場合に相談する窓口です。「詐欺の疑いが強い」「脅迫的な言動をされている」など、犯罪性が高いと感じた場合はこちらに連絡しましょう。被害届の提出方法などについてアドバイスがもらえます。

これらの窓口は、同様の被害相談を数多く受けています。あなたのケースが詐欺にあたるのか、どういった対応が可能かについて、専門的な知見からアドバイスをもらえます。

弁護士や司法書士など法律の専門家に返金請求の相談をする

支払ってしまったお金の返金を具体的に求めていくには、法律の専門家の力が必要になるケースが多いです。弁護士や司法書士は、あなたの代理人として、相手業者との返金交渉や、必要であれば訴訟（裁判）などの法的手続きを行ってくれます。

特に、被害額が高額な場合や、相手が悪質で交渉に応じない場合は、専門家の介入が不可欠です。

相談する際は、事前に保全した証拠を持参し、これまでの経緯を時系列でまとめておくとスムーズです。費用はかかりますが、自分一人で交渉するよりもお金が戻ってくる可能性は格段に高まります。

クーリング・オフ制度が利用できないか確認する

クーリング・オフとは、一度契約を申し込んだり、契約をしたりした後でも、一定の期間内であれば、無条件で契約を解除できる制度です。開業詐欺が該当しうる「業務提供誘引販売取引」の場合、法律で定められた書面を受け取った日から数えて20日以内であれば、クーリング・オフが可能です。

もし、業者から法律で定められた要件を満たす書面（契約内容やクーリング・オフについて記載されたもの）を受け取っていなかったり、書面の内容に不備があったりした場合は、20日が過ぎていてもクーリング・オフができる可能性があります。

クーリング・オフは、必ず書面（ハガキや内容証明郵便など）で行う必要があります。電話で伝えただけでは証拠が残らず、「聞いていない」と言われてしまう恐れがあります。手続きの方法が分からなければ、消費生活センターに相談すれば、書き方などを具体的に教えてもらえます。

クレジットカード会社や銀行に連絡する

支払い方法によっても、取るべき対応があります。

クレジットカードで支払った場合：
すぐにクレジットカード会社に連絡し、事情を説明して支払いの停止（抗弁の接続）を求めましょう。また、「チャージバック」という仕組みを利用して、カード会社から詐欺業者への支払いを中止し、返金を求めることができる場合があります。

銀行振込で支払った場合：
振り込め詐欺救済法に基づき、詐欺に利用された銀行口座を凍結し、その口座に残っている資金を被害者に分配する手続きを申請できる可能性があります。すぐに振込先の金融機関と警察に連絡してください。ただし、口座からすでにお金が引き出されている場合は、返金を受けるのが難しくなるため、一刻も早い行動が求められます。詐欺」が複合した悪質なケースです。