「Gototo タスク」と検索される詐欺が確認されています。
実はこれ、スマホアプリを使った詐欺行為なんです。
本記事では、被害事例をもとに「Gototo詐欺の手口、被害に遭ってしまったときの対処法」をまとめます。
なお、Gototoを使った詐欺の被害に遭ってしまった方は、弁護士による返金請求でお金を取り戻せる可能性があります。
お困りの方は、FDR法律事務所までお気軽にご相談ください。
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Gototoを使った詐欺とは
Gototo詐欺とは、スマホアプリ「Gototo」の中で行われる詐欺行為の通称です。
Gototoについて
Gototoは、Android端末で提供されているメッセージアプリになります。
2024年6月以降、Google Play上から削除され、インストール不能になっています。
メッセージアプリと言えば、日本ではLINEが有名なので、聞き慣れない方も多いでしょう。
実際のところ、被害にあってしまった方の中には、「Gototo=怪しい」と話す方もいます。
ただし、Gototo自体は何も悪くありません。
悪いのは、Gototoを使って、被害者のお金を騙し取る詐欺グループです。
【編集部注釈】
本記事では、以下「Gototo詐欺」と表記します。
Gototo詐欺の内容
Gototo詐欺はひとことで言うならば、副業詐欺です。
具体的には、広告にアクセスした人に対し、「仕事を紹介する」と言い、こちらの警戒心を緩めます。
その後、仕事に慣れてきたころに「業務にミスがあった」と文句を言ってきて、補填費用、違反金などの名目で、犯人グループは高額な金銭を要求してきます。
Gototo詐欺の被害報告
Gototoを使った詐欺として以下のような被害が報告されています。
被害報告1:タスク達成でその日から報酬ゲット
本業のほかに収入が欲しいAさん。
TikTokを観ていたら「Gototoで副収入!」との広告を目にし、気になったのでアクセス。
広告には、「運営が案件を紹介し、タスクを達成したら報酬ゲット!」と書かれていた。
こちらのマイナスになるような情報は書かれておらず、「Gototoで無料説明会」とあったので、副収入を確保したいと思ったAさんは、話しを聞いてみることにした。
Gototoでは、「事務局」と名乗る相手から、案件について説明される。
案件は「事務局から指定されたYouTubeの動画を再生して、そのスクリーンショットをGotogo上に貼る」というものだった。
副業を始めた初日から4000円の収入があった。
Aさんが収益を上げたことを把握している事務局は、報酬の引き出しを促す。
その指示に従い、Aさんは事務局に口座情報を開示した。
その後、事務局から新しい案件を紹介される。
新しい案件は「動画の視聴に加えて、動画に高評価をつける」というものだった。
タスク自体は問題なく遂行したが、事務局から「タスクに問題があった」と連絡があり、解決金として30万円の解決金を要求される。
Aさんは、この段階で相談機関へ。
被害報告2:「いいね!」で副収入
旅行にいくための資金を稼ぐための手段として副業を探していたBさん。
TikTok広告の「Gototoで5万円ゲット!」という広告を観てアクセス。
やや『怪しい……』とは思ったが、副収入を得たかったBさんは、やってみることにした。
Gototoでは、「事務局」を名乗る相手から案件について案件について説明を受ける。
案件はTikTokの広告を観て「いいね!」をする、という内容だった。
タスクの成果を報告したところ、初日から7500円の報酬が発生。
最初のタスクを2ヵ月続けたところ、別のタスクを紹介される。
タスクの内容は、最初に紹介されたものと同じ。単価が上がるというものだった。
新しいタスクでは1日あたり2万円の収入を得た。
その仕事を始めて1ヵ月が経ったころ、「タスクにミスがあった」として、50万円の違約金を要求される。
被害報告3:FX勉強会
投資に興味がありつつも、初めての投資は不安だったため、勉強できるようなグループを探していたCさん。
Xで「初めてのFX」という広告を見つけ、アクセス。
広告上でGototoアプリに誘導される。
Gototoでは、同じように投資に興味をもった人が集まるグループに加入させられた。
まずは、「事務局」から、運営(事務局)が指定したYouTube動画を観て、そのスクリーンショットを送る、という案件をこなし資金を作って投資を行う、との指示があった。
案件を始めてから2ヵ月、30万円の報酬を口座からおろした。
最初に5万円をおろし、4日後に3万円引き出そうとしたところ、「引き出し不可」となり、報酬はおろか、自身の預金にもアクセスできなくなってしまった。
運営に問い合わせたところ、預金が引き出せなくなったのはCさん側に「規約違反があった
ため」。
かつ、「口座をもとに戻すには解除手数料として10万円必要」と言われる。
腑に落ちない要求であったが、事務局から『今後も案件と投資を継続していけば、十分プラスにできる』と言われる。
投資そのものには前向きで実際に報酬も得ていたため、Cさんは事務局の要請に従うことにした。
しかし、振り込みをしたあとも、口座の凍結は解除されず。
Gototo上のグループから強制退出させられ、事務局とも音信不通になった。
Cさんは警察署へ赴く。
被害報告4:YouTube視聴で副収入
生活に金銭的なゆとりをつくるため、副業を探していたDさん。
TikTokで「優良案件多数」との広告を見つけ、アクセス。
広告では、「YouTubeの動画にいいねをつける」というタスクが紹介されていた。
半信半疑ではあったが、いいねをつける作業は難しくないのでやってみることにしたCさん。
広告からGototoに誘導され、事務局を名乗る相手から仕事を始めるよう促される。
仕事を始めたその日から2000円の報酬があり、1ヵ月の収益は6万円に上った。
当初は警戒していたが、振り込みされたので警戒心は薄れたという。
その後、事務局から次のタスクとして「1日120件の動画にいいねをつける」という案件を紹介された。
達成すれば1日の報酬は20万円。副収入としては文句のない金額だったのでDさんはこれを快諾。
とは言え、本業を抱えるDさん。
1日働いたあとに120本の動画に目を通すのは容易でなく、ある日、タスク未達で1日を終えた。
すると翌日、事務局から「タスク未達のペナルティとして、40万円支払ってください」と連絡があった。
タスク開始前にペナルティについての説明はなかったので、その旨を伝え事務局に講義するDさん。
話しの中で事務局から「次のタスクを達成した場合、報酬は50万円になる」と告げられる。
Dさんは渋々ペナルティの20万円を支払い、次のタスクに臨む。
しかし、生活サイクルを大きく変えるわけにもいかず、Dさんはタスクを冠水できなかった。
翌日、事務局からペナルティとして、90万円を請求される。
「らちが明かない」と感じたDさんは、相談機関を探す。
Gototo詐欺の手口
Gototoを使った詐欺は以下のような手口で展開されます。
誘い込みはネット広告
はじめは、TikTokやXに広告からユーザーを誘い込みます。
文言としては「副業」「投資」のいずれかでした。
Gototoアプリへ誘導される
ネット広告では「稼げる」「儲かる」といった、こちらの警戒心を弱めるような文言が多用されています。
警戒心が弱まったところで、「話を聞く」というボタンを押すと、Gototoアプリのインストールを促されます。
(文言はアクセスする広告によって異なります)
案件について説明をされる
Gototo上では、「事務局」から案件について説明をされます。
最初の案件は以下の通りです。
【案件の内容】
- 事務局から指定されたYouTube(TikTok)の動画を観て、視聴完了画面のスクリーンショットをGototo上に貼る
- YouTube(TikTok)の動画を観て、いいねをつけ、そのスクリーンショットをGototo上に貼る
最初はいわゆる広告ビジネス案件です。Gototoを「怪しい」と感じている方は少なくないでしょう。
被害報告でもそのような事例がありましたが、YouTuberやTikTokrが一般的になっている事実を背景に「この案件は広告会社と連動しているから稼ぎやすい」と話し、こちらの警戒心を緩めてきます。
口座登録させられ仕事が始まる
こちらが承諾すると、事務局から「報酬振り込み用の口座を教えてください」と案内があります。
登録を終えると、すぐに仕事を始められるようになります。
即日で報酬が振り込まれる
最初の仕事を終えると、早ければその日のうちに報酬が振り込まれます。
報酬は1日あたり3000円〜5000円程度です。
案件によってばらつきがみられますが、最初はおおむね1万円以内と思っていただいて問題ございません。
次の案件を紹介される
最初の案件から早ければ5日以内で次の案件を紹介されます。
次の案件も最初の案件と同様、YouTubeやTikTokに付随したタスクが多く見られます。
タスクの内容は大きく変わらないようです。
事務局から解決金(違約金)を請求される
タスクをこなせないときには、事務局から違約金(20万円〜80万円程度)を請求されます。
また、タスクに問題がなかった場合も、事務局は「ミスがあった」として同様の金額を要求してきます。
なお、ミスの詳細を聞いても明かしてもらえません。
自分の口座にアクセスできなくなる
確認されている被害報告すべてに当てはまるものではありませんが、自身の口座にアクセスできなくなるケースもあるようです。
事務局は「次の案件をこなせば、今回の損出は取り返せる」と言って解決金(違約金)振り込みを促してきます。
無理なタスクを渡される
解決金を支払うと、口座へのアクセス制限は解除されます。
しかし、事務局の攻撃はこれで終わりません。
新しい案件として「1日でYouTubeの動画を100本見る」、「TikTokの動画、500本にいいねをつける」など、到底1日ではやりきれないタスクを当てられます。
さらに高額な解決金(違約金)を請求される
タスクをこなせないと、再び解決金(違約金)を請求されます。
私どもが調べたところ、2つめの案件の違約金として160万円を請求された方もいらっしゃいました。
タスクに成功すれば、報酬が支払われる可能性もないわけではありません。
しかし、詐欺グループの目的は、こちらからお金を騙し取ることです。
最初は支払われても、事務局は「仕事にミスがあった」として、いずれ解決金を請求してくるでしょう。
報酬を目指して取り組むのは控えるべきです。
Gototo詐欺に遭ってしまった場合の相談窓口
詐欺被害の相談窓口として以下の3つが有効です。
弁護士
事務局はあなたの口座情報をもっています。
Gototoの中で得た個人情報を使って、詐欺グループが新たな犯罪を犯す可能性も懸念されます。
また、被害事例において、事務局と連絡が取れなくなるケースも確認されています。
詐欺グループと連絡が取れなくなったら、1人での解決は困難です。
上述の犯罪の可能性がないとは言えませんので、初動対応としては弁護士への相談をおすすめします。
警察
弁護士と合わせて警察にも連絡しておきましょう。
被害の弁済とは直接関係しない場合が多いですが、被害届を出し、警察に情報提供をしておくことは、事件解決に繋がる可能性もあります。
消費者相談センター
消費者相談センターは、被害にあったときの窓口になってくれます。
消費者ホットライン「188(いやや)」に電話すると話せるので、ここに状況を伝え対策を考えるのも良いかと思います。
しかし、1点だけ留意していただきたい事項があります。
それは、消費者相談センターは都道府県によって運営されていることです。
ホットラインはありますが、実際の対応は平日に行われます。
平日、こちらが実際に来所してからの対応になるので、弁護士に比べると、初動が少し遅くなる傾向にあります。