ロマンス詐欺の見分け方と手口とは?事例をもとに危険な特徴や詐欺の内容も紹介

ロマンス詐欺の見分け方と手口とは?事例をもとに危険な特徴や詐欺の内容も紹介

SNSやマッチングアプリで出会った素敵な相手。毎日続く甘いメッセージに「運命の人かもしれない」と感じていませんか。しかし、そのやり取りの中で「二人のお金だから」「絶対に儲かる」といった投資話や、急なトラブルを理由にした送金のお願いが出てきたら、それは「ロマンス詐欺」かもしれません。

相手を信じたい気持ちと、詐欺かもしれないという不安の間で、誰にも相談できずに一人で悩んでいる方も多いのではないでしょうか。ロマンス詐欺の手口は年々巧妙化しており、特に海外の相手を装う「国際ロマンス詐欺」の被害は深刻です。

この記事では、ロマンス詐欺の最新の手口から、相手が詐欺師か見分けるための具体的なチェックポイント、そして被害に遭わないための対処法まで、網羅的に解説します。この記事を読めば、ご自身の状況を客観的に判断し、大切な資産と心を守るための具体的な一歩を踏み出すことができます。

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目次

ロマンス詐欺とは?主な特徴

ロマンス詐欺とは?主な特徴

ロマンス詐欺とは、SNSやマッチングアプリなどを通じて知り合った相手に恋愛感情や好意を抱かせ、その心理を利用してお金をだまし取る特殊詐欺の一種です。近年、その被害は急増しており、手口も多様化しています。

この章では、ロマンス詐欺の基本的な特徴について、以下の4つのポイントから解説します。

  • 恋愛感情を利用した詐欺の概要
  • 被害が多い場面(SNS・マッチングアプリ・広告経由)
  • 投資勧誘型と情に訴える型の違い
  • 国際ロマンス詐欺の特徴(肩書きや国際設定)

恋愛感情を利用した詐欺の概要

ロマンス詐欺の最大の特徴は、被害者の「恋愛感情」や「好意」を巧みに利用する点にあります。詐欺師は、長期間にわたってメッセージのやり取りを重ね、甘い言葉で相手を信じ込ませ、親密な関係を築き上げます。

そして、被害者が完全に心を許したタイミングで、様々な口実を使って金銭を要求してきます。被害者は「愛する人のためなら」という心理状態に陥っているため、詐欺の可能性を疑うことなく、言われるがままにお金を振り込んでしまうのです。

警察庁の発表によると、SNS型ロマンス詐欺の被害件数は年々増加傾向にあり、2023年には2,271件と過去最多を記録しました。被害者の多くが、詐欺だと気づいた後も「相手は本当は自分のことを好きだったのではないか」という思い込みから抜け出せず、精神的にも深い傷を負うケースが少なくありません。

被害が多い場面(SNS・マッチングアプリ・広告経由)

ロマンス詐欺師との出会いの場は、主にインターネット上です。特に以下のプラットフォームは、詐欺の温床となりやすいため注意が必要です。

  • SNS:InstagramやFacebook、X(旧Twitter)などのダイレクトメッセージ(DM)を通じて、突然知らない外国人などからアプローチされるケースが非常に多いです。詐欺師は魅力的なプロフィールを装い、無差別にメッセージを送ってきます。
  • マッチングアプリ:恋愛や結婚を目的としたマッチングアプリも、詐欺師がターゲットを探す場として多用されています。アプリ上でマッチングした後、すぐにLINEなどの外部チャットアプリに誘導しようとするのが典型的な手口です。
  • ネット広告:最近では、有名人や著名な投資家を騙ったSNS上の投資広告から、詐欺師のLINEアカウントに誘導されるケースも増えています。広告をきっかけに知り合い、やり取りを続けるうちに恋愛感情を抱かせ、最終的に投資名目で金銭をだまし取る手口です。

これらのプラットフォームは、本来コミュニケーションを楽しむためのツールですが、身元を偽りやすいという側面も持っています。オンラインでの出会いには、常に詐欺のリスクが潜んでいることを認識しておくことが重要です。

投資勧誘型と情に訴える型の違い

ロマンス詐欺の金銭要求の手口は、大きく分けて「投資勧誘型」と「情に訴える型」の2つに分類されます。

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手口のタイプ特徴具体的な口実の例
投資勧誘型「二人の将来のために」「絶対に儲かる」などと言葉巧みに投資話を持ちかけ、偽の投資サイトやアプリに入金させる。・FXや暗号資産(仮想通貨)への投資
・未公開株や新規事業への出資
・海外の高利回りな金融商品
情に訴える型相手の同情心や良心に訴えかけ、様々なトラブルを理由に送金を要求する。・事故や病気の治療費、手術代
・日本へ行くための渡航費、ビザ取得費用
・荷物が税関で止められた際の関税、手数料

近年、特に被害額が大きくなっているのが「投資勧誘型」です。偽のプラットフォーム上で利益が出ているように見せかけ、被害者を信用させた上で、次々と追加入金を要求するため、被害額が数千万円から1億円を超えるケースも珍しくありません。どちらのタイプも、恋愛感情を利用するという根本は同じであり、複合的に手口を使ってくる場合もあります。

国際ロマンス詐欺の特徴(肩書きや国際設定)

国際ロマンス詐欺とは、詐欺師が外国人や海外在住の日本人になりすまして接触してくる手口です。物理的な距離があるため「すぐに会えない」状況を自然に作り出せるのが特徴です。

詐欺師は、被害者に信頼感や憧れを抱かせるため、社会的信用の高い職業を騙ることが多く、外務省も注意喚起しているように、以下のような肩書きが頻繁に使われます。

  • 米軍の軍人、軍医、パイロット(紛争地域に派遣されている設定が多い)
  • 国連職員、外交官
  • 海外の石油プラントで働くエンジニア
  • 世界を飛び回る貿易商、投資家
  • 医師、弁護士

これらの肩書きを使い、「紛争地で危険な任務に就いている」「あなたと日本で暮らすために、今の仕事を辞めたい」といったストーリーを語り、同情心や恋愛感情を煽って金銭を要求します。実際には会ったこともない海外の相手から、このような話が出た場合は、国際ロマンス詐欺を強く疑うべきです。

ロマンス詐欺の典型的な手口

ロマンス詐欺の典型的な手口

ロマンス詐欺師は、周到な計画のもと、段階的に被害者を騙していきます。その手口はいくつかのパターンに分類できますが、目的はすべて「被害者からお金をだまし取ること」です。

ここでは、警察庁が公開する情報などを参考に、ロマンス詐欺で頻繁に使われる典型的な手口を4つのパターンに分けて詳しく解説します。

  • 投資サイトやアプリへの誘導と入金要求
  • 病気や戦争、トラブルを理由にした送金依頼
  • 通関・保証金・保釈金など名目を変えて繰り返す請求
  • 長期の信頼構築後に高額請求するパターン

投資サイトやアプリへの誘導と入金要求

これは「ロマンス投資詐欺」と呼ばれる、近年最も被害額が大きくなっている手口です。詐欺師は、恋愛関係を築いた後、「二人の将来のために資産を増やそう」「僕(私)だけが知っている特別な投資情報がある」などと持ちかけ、偽の投資プラットフォームに誘導します。

誘導先のサイトやアプリは非常に精巧に作られており、一見すると本物の取引画面のように見えます。最初は少額の入金を促され、画面上では利益が出ているように表示されるため、被害者はすっかり信用してしまいます。

その後、詐欺師は「もっと大きな額を入れれば、さらに儲かる」などと煽り、追加入金を執拗に要求します。被害者が勧められるがままに送金を続けると、最終的にサイトは閉鎖され、相手とも連絡が取れなくなり、すべてのお金を失うことになります。

病気や戦争、トラブルを理由にした送金依頼

これは、被害者の同情心や良心につけ込む古典的な手口です。詐欺師は、様々な不幸な出来事をでっち上げ、それを解決するためにお金が必要だと訴えかけてきます。

  • 病気や事故:「自分や家族が重い病気にかかった」「交通事故に遭って手術が必要だ」などと、緊急性を装って治療費や入院費を要求します。偽の診断書や写真を見せてくることもあります。
  • 戦争や紛争:特に国際ロマンス詐欺で多く見られるのが、紛争地域に派遣されている軍人や軍医を装うパターンです。「任務中に負傷した」「危険な地域から脱出するための資金が必要だ」などと助けを求めてきます。
  • 事業の失敗:経営者や投資家を名乗る詐欺師が、「事業で大きな損失を出してしまった」「このままでは会社が倒産する。助けてほしい」と資金援助を依頼するケースもあります。

これらの話はすべて、被害者からお金を引き出すための嘘です。「あなたしか頼れる人がいない」という言葉は、詐欺師が使う常套句だと覚えておきましょう。

通関・保証金・保釈金など名目を変えて繰り返す請求

一度送金に応じてしまうと、詐欺師は次々と名目を変えて追加の金銭要求を繰り返します。これは、被害者が「ここまで払ったのだから、後には引けない」という心理(サンクコスト効果)に陥ることを狙った手口です。

  • 荷物の通関費用:「あなたにプレゼントや大金が入った荷物を送ったが、税関で止められている。通関手数料を払ってほしい」と要求します。手数料を払っても、次は保険料、保管料など、様々な名目で請求が続きます。もちろん、荷物など最初から存在しません。
  • 投資の保証金や税金:ロマンス投資詐欺で、利益分を出金しようとすると、「出金するには保証金が必要だ」「利益に対する税金を先に納めなければならない」などと言われ、支払いを要求されます。これらはすべて、出金させないための口実です。
  • トラブル解決費用:「日本に向かう途中で空港で拘束された。保釈金が必要だ」「仕事の契約を解除するための違約金が発生した」など、架空のトラブルを理由にお金を要求してきます。

このように、一度の要求で終わることはまずありません。巧妙に理由を変えながら、被害者のお金が尽きるまで搾り取ろうとするのが、この手口の恐ろしい点です。

長期の信頼構築後に高額請求するパターン

ロマンス詐欺師は、決して焦りません。数ヶ月から、長い場合は1年以上にわたって毎日のように連絡を取り続け、被害者との間に確固たる信頼関係を築き上げます。

この期間、詐欺師は一切お金の話をせず、ただひたすら愛情を語り、将来の夢を共有し、被害者の良き理解者として振る舞います。日常の些細な出来事を報告しあったり、家族の話をしたりすることで、相手が実在する人物であると完全に信じ込ませるのです。

そして、被害者が「この人は絶対に自分を裏切らない」と確信したタイミングを見計らって、初めて金銭的な要求を切り出します。長期間かけて築いた信頼関係があるため、被害者は疑うことなく高額な要求にも応じてしまいがちです。時間をかけて周到に準備する、非常に悪質な手口と言えます。

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国際ロマンス詐欺の見分け方と特徴

国際ロマンス詐欺の見分け方と特徴

国際ロマンス詐欺は、相手が海外にいるという設定のため、通常のロマンス詐欺よりも見抜きにくい側面があります。しかし、その手口にはいくつかの共通した特徴が存在します。

ここでは、国際ロマンス詐欺を見分けるためのポイントを、以下の4つの観点から具体的に解説します。

  • 海外駐在や軍医・投資家などの肩書き詐称
  • SNS経経由での接近と外部チャットへの誘導
  • 金銭要求に至るまでの共通パターン
  • 韓国人や特定国籍を騙るケースの傾向

海外駐在や軍医・投資家などの肩書き詐称

国際ロマンス詐欺師は、被害者の警戒心を解き、信頼や尊敬の念を抱かせるために、社会的ステータスの高い職業を騙るのが一般的です。

  • 軍人・軍医:特に米軍関係者を名乗るケースが多く、「シリアやアフガニスタンなどの紛争地域に派遣されている」という設定が頻繁に使われます。危険な場所で働く姿をアピールし、同情心や英雄視する気持ちを誘います。
  • 医師・国連職員:国境なき医師団や国連の職員を名乗り、海外で人道支援活動に従事していると語ります。崇高な仕事をしているように見せかけることで、相手を信用させます。
  • 投資家・エンジニア:世界中を飛び回る敏腕投資家や、海外の巨大プロジェクトに参加しているエンジニアなどを装います。経済的な成功をアピールし、「あなたを幸せにできる」というイメージを植え付けます。

これらの肩書きは、あくまで被害者を信用させるための偽りの姿です。プロフィールがあまりにも魅力的すぎる場合は、まず疑ってかかることが重要です。

SNS経由での接近と外部チャットへの誘導

国際ロマンス詐欺の入り口は、そのほとんどがSNSです。InstagramやFacebookなどで、突然見知らぬ外国人からフォローされたり、丁寧な文章のダイレクトメッセージが届いたりした経験はないでしょうか。これが、詐欺師がターゲットに接触する第一歩です。

彼らは、あなたの投稿内容を褒めたり、共通の趣味を話題にしたりして、巧みに会話を始めます。そして、数回のやり取りの後、ほぼ例外なく「もっと親しくなりたいから、LINEやWhatsAppで話さないか」と、プラットフォーム外の個人チャタンネルへの移行を提案してきます。

これは、運営会社の監視の目を逃れ、より密なコミュニケーションを取ることで、被害者を心理的にコントロールしやすくするための常套手段です。安易にプライベートな連絡先を教えてしまうと、詐欺師の思うツボにはまってしまう危険性が高まります。

金銭要求に至るまでの共通パターン

国際ロマンス詐欺は、知り合ってすぐにお金を要求してくるわけではありません。時間をかけて被害者の心を掴み、逃げられない状況を作ってから本性を現します。そのプロセスには、以下のような共通のパターンが見られます。

  1. 猛烈なアプローチ:知り合って間もないうちから、「愛している」「運命の人だ」「あなたなしでは生きられない」といった情熱的な言葉を毎日送り、恋愛感情を急速に高めさせます。
  2. 将来の約束:「任務が終わったら日本へ行く」「あなたと結婚して一緒に暮らしたい」など、具体的な将来の計画を語り、期待感を煽ります。
  3. 信頼関係の構築:自分の(偽の)家族や友人の話をする、日常の出来事を細かく報告するなどして、実在する人物であるかのように信じ込ませます。
  4. 突然のトラブル発生:信頼関係が十分に築けたと判断したタイミングで、「任務中に怪我をした」「荷物が税関で止められた」など、予期せぬトラブルが発生したと告げ、金銭的な援助を求めてきます。

この流れは、国際ロマンス詐欺の王道パターンです。一度も会ったことのない相手との間で、このような展開になった場合は、詐欺である可能性が極めて高いと言えるでしょう。

韓国人や特定国籍を騙るケースの傾向

近年、韓国人や台湾人、中国人など、アジア系の国籍を名乗る詐欺師による被害も目立っています。特に韓国人男性を装うケースでは、韓流ドラマの俳優のような甘いルックスの写真や、流暢な日本語でアプローチしてくることが多く、日本の女性がターゲットになりやすい傾向があります。

これらのケースでは、恋愛感情を育んだ後に、暗号資産(仮想通貨)やFXなどへの投資を勧めてくる「ロマンス投資詐欺」に発展することが非常に多いのが特徴です。

  • 「韓国ではみんなやっている有名な投資だ」
  • 「僕の叔父が投資のプロで、特別な情報が手に入る」
  • 「二人の将来のために、一緒にお金を増やそう」

このような甘い言葉で偽の投資サイトに誘導し、多額の資金をだまし取ります。特定の国籍だからといって一概に危険だと断定はできませんが、SNSで知り合った外国人、特にアジア系の人物から投資話を持ちかけられた際は、最大限の警戒が必要です。

メール・電話・やり取りからロマンス詐欺を見抜くポイント

メール・電話・やり取りからロマンス詐欺を見抜くポイント

詐欺師との直接のやり取りの中には、相手の正体を見抜くためのヒントが数多く隠されています。メッセージの内容やコミュニケーションの取り方に注意を払うことで、詐欺の兆候を早期に察知することが可能です。

ここでは、日々のコミュニケーションからロマンス詐欺を見抜くための具体的なポイントを、以下の4つの視点から解説します。

  • メールやチャットでの不自然な日本語や翻訳調
  • 電話やビデオ通話で顔出しを避ける
  • 「会いたい」とは言うが、実際に会う約束は直前でキャンセルされる
  • やり取りの中で現れる怪しい誘導や投資話

メールやチャットでの不自然な日本語や翻訳調

国際ロマンス詐欺の詐欺師の多くは、日本人ではありません。そのため、メッセージのやり取りには翻訳アプリを使用しているケースがほとんどです。注意深く読めば、その文章に不自然な点が見つかるはずです。

  • 文法や敬語の間違い:日本語の微妙なニュアンスや正しい敬語の使い方ができず、文章がぎこちないことがあります。「私はあなたを愛してあります」「お会いできることを楽しみにしてます」など、どこか違和感のある表現が散見されます。
  • 芝居がかった愛情表現:まるで詩や小説の一節のような、大げさで情熱的すぎる言葉を多用する傾向があります。日本人が日常会話では使わないような、過剰な愛情表現が続く場合は注意が必要です。
  • 返信内容のズレ:こちらの質問に対して、的を得ない返信が返ってくることがあります。これは、定型文(テンプレート)を使いまわしているか、翻訳アプリがうまく機能していないことが原因と考えられます。

完璧な日本語を話す詐欺師もいますが、少しでも「ん?」と感じる違和感があれば、それは重要なサインかもしれません。

電話やビデオ通話で顔出しを避ける

恋愛関係が深まれば、声を聞きたくなったり、顔を見て話したくなったりするのは自然なことです。しかし、ロマンス詐欺師は電話やビデオ通話を極端に嫌がる傾向があります。

こちらから「電話したい」「ビデオ通話で話そう」と提案しても、

  • 「仕事中はカメラを使えない規則になっている」
  • 「今いる場所は電波状況が悪い」
  • 「マイクやカメラが壊れている」
  • 「シャイだから恥ずかしい」

など、様々な理由をつけて頑なに拒否します。これは、プロフィール写真とは似ても似つかない自分の本当の姿や声を知られたくないためです。たとえ一瞬だけ通話に応じたとしても、画面を真っ暗にしたり、すぐに切断したりするなど、不審な行動が見られます。

最近ではAIを使って他人の顔や声を合成するディープフェイク技術が悪用されるケースもありますが、そもそも顔出しでの長時間の会話を避ける時点で、何かを隠している可能性が高いと言えます。

「会いたい」とは言うが、実際に会う約束は直前でキャンセルされる

ロマンス詐欺師は、被害者の期待感を高めるために「早くあなたに会いたい」「もうすぐ会いに行く」という言葉を頻繁に使います。しかし、その約束が果たされることは決してありません。

実際に会う約束を取り付け、いよいよその日が近づいてくると、必ず何らかの「不測の事態」が発生します。

  • 「急な仕事が入って、フライトをキャンセルしなければならなくなった」
  • 「空港に向かう途中で交通事故に遭ってしまった」
  • 「パスポートを盗まれて、出国できなくなった」
  • 「子どもが急に病気になった」

そして、このトラブルを解決するためと称して、金銭を要求してくるのが典型的なパターンです。何度約束しても会えない、会う直前になると必ずトラブルが起きる、という状況が続くのであれば、それは会う気など毛頭ない詐欺師の作り話であると判断すべきです。

やり取りの中で現れる怪しい誘導や投資話

詐欺師とのやり取りの最終目的は、金銭をだまし取ることです。そのため、信頼関係が築けたと判断すると、会話の中に巧みにお金の話を織り交ぜてきます。

特に注意すべきなのが、投資への誘導です。「二人の明るい未来のために」「楽して稼げる方法がある」といった甘い言葉で、特定の投資サイトやアプリに登録させようとします。

  • 「このサイトは絶対に儲かるから、まずは少額から試してみよう」
  • 「僕の言う通りにすれば、資産が10倍になる」
  • 「登録方法が難しいから、代わりにやってあげる」

などと言って、ログインIDやパスワードを聞き出そうとしたり、遠隔操作アプリのインストールを求めてきたりすることもあります。恋愛の話から不自然に投資の話に切り替わったら、それはロマンス投資詐欺の典型的な入り口です。一度も会ったことのない相手からお金の話が出た時点で、詐欺を確定的に疑い、すぐに関係を断つべきです。

画像やプロフィール情報でロマンス詐欺を見分ける方法

画像やプロフィール情報でロマンス詐欺を見分ける方法

詐欺師は、被害者を惹きつけるために、偽りのプロフィールを作り上げています。しかし、その偽りの情報の中には、詐欺であることを見破るための重要な手がかりが隠されています。

ここでは、相手のプロフィール写真や情報から、ロマンス詐欺を見抜くための具体的な方法を3つのポイントに絞って解説します。

  • プロフィール写真を画像検索すると別人やフリー素材がヒットする
  • 高画質・美男美女・露出度高めなど写真が不自然
  • プロフィール内容の整合性が取れていない

プロフィール写真を画像検索すると別人やフリー素材がヒットする

ロマンス詐欺師が使用するプロフィール写真は、そのほとんどがインターネット上から盗用された他人の画像です。そのため、Googleなどの画像検索機能を使えば、その正体を簡単に見破れる可能性があります。

相手のプロフィール写真を保存し、Google画像検索でアップロードしてみてください。もし、以下のような結果が出た場合は、詐欺である可能性が極めて高いです。

  • 全く別人のSNSアカウントやブログがヒットする:写真の本当の持ち主が見つかることがあります。その人物のプロフィールと、詐欺師が語っている内容が一致するか確認しましょう。
  • 海外の俳優やモデルの画像だと判明する:無名のインフルエンサーや一般人の写真だけでなく、知名度の低い海外の芸能人の写真が悪用されるケースも多いです。
  • ストックフォトサイト(フリー素材サイト)の画像だった:プロのカメラマンが撮影したモデルの写真などが、あたかも本人のスナップ写真であるかのように使われていることがあります。

画像検索は、詐欺を見破る上で非常に有効な手段です。少しでも怪しいと感じたら、必ず試してみることをお勧めします。

高画質・美男美女・露出度高めなど写真が不自然

詐欺師が使うプロフィール写真には、いくつかの共通した特徴が見られます。写真の雰囲気や質感が、一般的なSNSユーザーのものと比べて不自然に感じられることが多いのです。

  • プロが撮影したような高画質な写真:素人がスマートフォンで撮影したような自然なスナップ写真ではなく、スタジオで撮影したかのような、あまりにも綺麗すぎる写真は要注意です。
  • 現実離れした美男美女:誰もが振り向くような、モデルや俳優レベルの容姿端麗な人物の写真は、詐欺師が被害者を惹きつけるためによく使う手です。「こんな素敵な人が自分に?」と舞い上がってしまう前に、一度冷静になりましょう。
  • 肌の露出が多いセクシーな写真:特に男性をターゲットにする女性詐欺師の場合、過度に肌を露出した写真で性的な魅力をアピールしてくることがあります。
  • お金持ちアピールが過剰な写真:高級車や高級腕時計、札束などと一緒に写っている写真は、経済的な成功を偽装するための小道具である可能性が高いです。

もちろん、本当に容姿が整っていたり、裕福だったりする人もいますが、これらの要素が複数組み合わさっている場合は、詐欺師が作り上げた架空の人物像である可能性を疑うべきです。

プロフィール内容の整合性が取れていない

詐欺師は、複数の被害者と同時にやり取りをしているため、設定が曖昧だったり、話の辻褄が合わなくなったりすることがあります。プロフィールに書かれている内容と、実際の会話内容を注意深く照らし合わせてみましょう。

  • 出身地や学歴に関する矛盾:「アメリカ出身でハーバード大学卒業」とプロフィールに書いてあるのに、会話の中では「子供の頃はイギリスに住んでいた」「大学はUCLAだ」などと、話が変わることがあります。
  • 年齢や家族構成の矛盾:最初は「35歳で独身」と言っていたのに、後から「実は40歳で離婚歴がある」と告白してくるなど、基本的な情報に食い違いが見られます。
  • 趣味や好みの矛盾:「犬が好きだ」と言っていたのに、犬アレルギーであることを示唆するような発言をするなど、些細な点でも矛盾点が見つかることがあります。

これらの矛盾は、詐欺師が嘘を重ねている証拠です。相手の話を鵜呑みにせず、少しでもおかしいと感じた点は記録しておき、冷静に整合性をチェックすることが大切です。

「会う」「会いに来る」と言われたときの注意点

「会う」「会いに来る」と言われたときの注意点

ロマンス詐欺において、「会う」という約束は、被害者の期待を最大限に高め、同時にお金を引き出すための重要な口実として使われます。実際に会う約束が持ち上がったときこそ、最大限の警戒が必要です。

ここでは、「会う」「会いに来る」と言われた際に注意すべきポイントを、3つのシナリオに分けて解説します。

  • 会う前に必ず確認すべきこと
  • 渡航費や交通費の請求がある場合の危険サイン
  • 実際に会った後に始まる詐欺のパターン

会う前に必ず確認すべきこと

相手から「会いに行く」と言われたら、舞い上がってしまう前に、冷静になっていくつかの点を確認する必要があります。これが、詐欺を見抜くための最後のチャンスになるかもしれません。

まず、具体的な渡航計画について詳しく質問してみましょう。

  • 利用する航空会社と便名は何か?
  • 日本のどの空港に、何月何日の何時に到着するのか?
  • Eチケットや予約確認書を見せてもらえるか?

詐欺師は、これらの具体的な質問に対して、はぐらかしたり、曖昧な答えしか返せなかったりすることが多いです。また、「サプライズだから教えられない」などと言って、情報の開示を拒む場合も詐欺を疑うべきです。

さらに、会う前にビデオ通話で顔を確認しておくことも重要です。「会う前に、一度顔を見て話しておきたい」と提案し、相手がこれに応じない、あるいは不自然な対応をする場合は、プロフィール写真とは別人が現れる可能性が高いと考えられます。

渡航費や交通費の請求がある場合の危険サイン

「会いに行く」という約束とセットで、ほぼ間違いなく登場するのが金銭の要求です。これは、ロマンス詐欺の最も典型的な手口の一つであり、絶対に応じてはいけません。

  • 「日本へ行くための航空券代が足りないから、少しだけ立て替えてほしい」
  • 「ビザを取得するための費用が必要になった」
  • 「会社を休むための違約金を払わなければならない」
  • 「手持ちの現金が没収されたので、当座の生活費を送ってほしい」

など、様々な口実で送金を求めてきます。考えてみてください。本当にあなたに会いたいと思っている相手が、初対面の相手に旅費や経費を無心するでしょうか。常識的に考えてあり得ない要求です。

一度でもお金を払ってしまうと、「次は空港税が」「保険料が」と、次から次へと要求がエスカレートしていきます。会うことを口実にした金銭要求があった時点で、それは100%詐欺だと断定し、すぐに関係を断ちましょう。

実際に会った後に始まる詐欺のパターン

極めて稀なケースですが、実際に相手が日本にやって来て、会うことができたという場合もあります。しかし、それで安心するのはまだ早いです。会うこと自体が、より大きな詐欺の始まりである可能性も否定できません。

実際に会えたことで被害者は相手を完全に信用してしまいますが、その信頼を利用して、より高額な詐欺を仕掛けてくるのです。

  • 投資への勧誘:「日本で一緒にビジネスを始めよう」「この投資は絶対に成功する」などと言って、高額な投資話を持ちかけてきます。対面で熱心に説得されるため、断りきれずに契約してしまうケースが多いです。
  • 借金の申し込み:「日本での事業資金が少し足りない」「家族がトラブルに巻き込まれた」など、目の前で困った様子を見せて、高額な借金を申し込んできます。
  • 結婚詐欺:結婚をちらつかせて関係を続け、結納金や新生活の準備金などの名目で多額のお金をだまし取り、ある日突然姿を消します。

「実際に会えたから大丈夫」という思い込みは非常に危険です。会った後であっても、お金の話が出た時点で詐欺を疑い、安易に金銭を渡さないことが重要です。

ロマンス詐欺の実例と事例から学ぶ見分け方

ロマンス詐欺の実例と事例から学ぶ見分け方

ロマンス詐欺の手口をより深く理解するためには、実際に起きた被害事例を知ることが有効です。他の人がどのような状況で、どのように騙されてしまったのかを知ることで、自分の状況を客観的に見つめ直し、詐欺の兆候に気づきやすくなります。

ここでは、実際に報告されているロマンス詐欺の事例を、以下の3つのパターンに分けて紹介します。

  • 投資型詐欺の実例と被害金額
  • 病気・戦争を理由にした送金事例
  • 実際の逮捕事例に見る共通点

投資型詐欺の実例と被害金額

事例:SNSで知り合った外国人投資家を名乗る男によるロマンス投資詐欺

50代女性Aさんは、Facebookで海外在住の投資家を名乗る男と知り合いました。男はAさんに毎日甘い言葉を送り、次第に二人は恋愛関係に。ある日、男は「二人で豊かな未来を築くために、僕がやっているFX投資を一緒にやらないか」と持ちかけ、専用の取引アプリをインストールさせました。

最初は30万円を入金すると、アプリ上ではすぐに利益が出ました。男に「もっと資金を入れれば、もっと儲かる」と勧められ、Aさんは追加で500万円を入金。利益は順調に増え続け、資産は3,000万円を超えました。しかし、利益を出金しようとすると「税金を払わないと出金できない」と言われ、指示通りに200万円を振り込みました。それでも出金はできず、不審に思ったAさんが弁護士に相談したところ、ロマンス投資詐欺だと判明。男とも連絡が取れなくなり、合計730万円を失いました。

この事例のように、投資型詐欺は偽の成功体験を信じ込ませることで、被害額が非常に高額になりやすい特徴があります。

病気・戦争を理由にした送金事例

事例:マッチングアプリで出会ったシリア駐留の米軍軍医を名乗る男による詐欺

40代女性Bさんは、マッチングアプリでシリアに駐留しているという米軍の軍医と知り合いました。「危険な場所で働いている。あなたの存在が心の支えだ」という言葉に、Bさんは同情と恋愛感情を抱くようになりました。

やり取りを始めて1ヶ月後、男から「任務中に反政府ゲリラの攻撃を受けて重傷を負った。国からの補償では足りないので、手術費用を助けてほしい」と連絡がありました。送られてきた写真には、包帯を巻いて苦しむ男の姿が写っていました。Bさんは男を助けたい一心で、指定された海外の個人口座に100万円を振り込みました。

すると今度は、「日本へ行くための特別休暇を申請したいが、費用がかかる」と追加の送金を要求されました。Bさんが断ると、男は「愛しているなら助けてくれるはずだ」とBさんを責め立てました。この時点でようやく詐欺だと気づき、警察に相談しましたが、送金したお金が戻ってくることはありませんでした。

実際の逮捕事例に見る共通点

ロマンス詐欺は、海外の犯罪グループが組織的に行っていることが多く、犯人の特定や逮捕は容易ではありません。しかし、日本国内で活動する詐欺グループが摘発されるケースも出てきています。

2023年には、マッチングアプリで知り合った男性に嘘の投資話を持ちかけ、現金約1,500万円をだまし取ったとして、日本人と中国人の男女グループが逮捕されました。この事件では、グループ内で「社長」「投資の専門家」「恋人役」などと役割分担し、被害者を信用させるために劇場型の詐使を働いていました。

また、有名俳優になりすましてファンに近づき、多額の金銭をだまし取った国際ロマンス詐欺グループが逮捕された事例もあります。

これらの逮捕事例からわかる共通点は、詐欺師が一人ではなく、複数人で組織的に活動しているという点です。やり取りの中で、相手の友人や上司、弁護士などを名乗る別の人物が登場した場合は、劇場型詐欺の可能性を疑うべきです。

ロマンス詐欺に気づいたときの対処法

ロマンス詐欺に気づいたときの対処法

「もしかして、自分はロマンス詐欺に遭っているのかもしれない」そう感じたら、パニックにならず、冷静に、そして迅速に行動することが何よりも重要です。あなたの的確な初動対応が、被害の拡大を防ぎ、問題解決への第一歩となります。

ここでは、ロマンス詐欺に気づいたときに取るべき具体的な対処法を、以下の4つのステップに分けて解説します。

  • 連絡を遮断し通報する
  • やり取りや送金履歴の証拠保全
  • 警察や消費生活センターなど相談窓口への連絡
  • 金融機関や取引所への対応依頼

連絡を遮断し通報する

相手が詐欺師であると確信、または強く疑った場合、まずやるべきことは、相手との一切の連絡を絶つことです。相手に「詐欺でしょう」と問い詰めたり、お金を返すよう交渉したりするのは逆効果です。相手を刺激すると、脅迫されたり、個人情報をばらまかれたりする二次被害に遭う危険性があります。

LINEやSNSのアカウントは、ためらわずにブロックしましょう。相手との接点を完全に断ち切ることが、さらなる被害を防ぐための最も確実な方法です。

また、やり取りをしていたSNSやマッチングアプリの運営会社にも、詐欺アカウントとして通報してください。通報することで、運営側がアカウントを凍結するなどの対応を取り、他の人が被害に遭うのを防ぐことができます。

やり取りや送金履歴の証拠保全

相手との連絡を絶つ前に、必ずこれまでのやり取りの証拠を保全しておきましょう。これらの証拠は、後で警察に被害届を提出したり、弁護士に相談したりする際に、非常に重要な資料となります。

  • メッセージのやり取り:相手のプロフィール画面、これまでのチャット履歴のすべてを、スクリーンショットで撮影して保存します。相手の発言内容が、詐欺の事実を立証する上で重要になります。
  • 送金履歴:銀行の振込明細書、クレジットカードの利用明細、暗号資産の送金記録など、相手にお金を渡したことがわかる記録はすべて保管しておきます。
  • 相手の情報:相手の名前(偽名の可能性が高いですが)、アカウントID、メールアドレス、電話番号、振込先口座情報など、相手に関する情報はすべて記録しておきましょう。

これらの証拠が多ければ多いほど、その後の手続きがスムーズに進みます。感情的になってデータを消去してしまわないよう、冷静に証拠を集めることが大切です。

警察や消費生活センターなど相談窓口への連絡

一人で抱え込まず、できるだけ早く公的な相談窓口に連絡することが重要です。専門家から客観的なアドバイスをもらうことで、冷静さを取り戻し、次に何をすべきかが明確になります。

  • 警察相談専用電話「#9110」:詐欺被害に遭ったかもしれないと感じたときに、まず相談すべき窓口です。専門の相談員が対応し、最寄りの警察署への引き継ぎなどを行ってくれます。緊急性がない場合は、この番号に電話しましょう。
  • 消費者ホットライン「188(いやや!)」:ロマンス詐欺を含む、様々な消費者トラブルに関する相談を受け付けています。専門の相談員が、具体的な対処法や他の適切な相談窓口を案内してくれます。
  • 最寄りの警察署:すでにお金を振り込んでしまったなど、具体的な金銭被害が発生している場合は、収集した証拠を持参の上、最寄りの警察署の生活安全課に被害届を提出してください。

これらの窓口はすべて無料で相談できます。恥ずかしい、情けないといった気持ちは捨てて、勇気を出して相談することが、問題解決の第一歩です。

金融機関や取引所への対応依頼

お金を振り込んでしまった場合は、すぐに送金先の金融機関(銀行など)に連絡し、「組戻し」の手続きを依頼してください。組戻しとは、送金先に着金する前であれば、送金を取り消せる可能性がある手続きです。ただし、相手の同意が必要な場合が多く、成功する可能性は高くありません。

また、警察に被害届を提出し、受理されると「被害回復分配金支払等請求手続」を利用できる可能性があります。これは、振り込め詐欺救済法に基づき、詐欺に使われた口座を凍結し、口座に残っている残高を被害者に分配する制度です。

ただし、詐欺師はすぐに資金を引き出してしまうため、口座に残高が残っているケースは稀であり、被害額の全額が返金されることはほとんど期待できません。それでも、被害回復の可能性を少しでも高めるために、迅速に金融機関へ連絡することが重要です。

ロマンス詐欺の再発を防ぐための予防策

ロマンス詐欺の再発を防ぐための予防策

ロマンス詐欺の被害に遭わないためには、日頃から予防策を意識しておくことが大切です。手口を知り、対策を講じておくことで、詐欺師が近づいてきても冷静に対処することができます。

ここでは、ロマンス詐欺の被害を未然に防ぐための具体的な予防策を3つ紹介します。

  • SNSやマッチングアプリでの安全な利用方法
  • 金融庁登録業者かを確認する習慣
  • 不審な誘いを受けたときの行動をルール化する

SNSやマッチングアプリでの安全な利用方法

SNSやマッチングアプリは、詐欺師との出会いの温床です。安全に利用するためには、以下の点を心がけましょう。

  • 見知らぬ相手からの友達申請やDMは安易に承認しない:特に、プロフィールが魅力的すぎる外国人からのアプローチには注意が必要です。共通の友人がいない、投稿がほとんどないといったアカウントは警戒しましょう。
  • すぐに個人情報を教えない:LINEのIDや電話番号、住所、勤務先などの個人情報は、相手を十分に信用できるまでは絶対に教えないでください。
  • プラットフォーム外でのやり取りには応じない:運営の監視が及ばない外部アプリへの誘導は、詐欺の典型的な手口です。やり取りは、できるだけアプリ内で行うようにしましょう。
  • 個人情報を公開しすぎない:SNSの投稿から、あなたの行動範囲や経済状況などを推測される可能性があります。プライバシー設定を見直し、公開範囲を限定することも有効な対策です。

これらの基本的な対策を徹底するだけで、詐欺師に狙われるリスクを大幅に減らすことができます。

金融庁登録業者かを確認する習慣

ロマンス投資詐欺の被害を防ぐためには、投資話を持ちかけられた際に、その勧誘元が信頼できる業者かどうかを確認する習慣が不可欠です。

日本国内で金融商品取引業(投資の勧誘やアドバイス、売買など)を行うには、金融庁への登録が法律で義務付けられています。相手から投資を勧められたら、まず金融庁の「免許・許可・登録等を受けている業者一覧」のウェブサイトで、その業者名や登録番号を検索してみてください。

もし、サイトに名前が見当たらなければ、それは無登録で違法な営業を行っている悪質業者です。そのような業者からの勧誘には、絶対に応じてはいけません。「海外の業者だから登録は不要」などと言い訳をしてくる場合もありますが、日本の居住者に対して勧誘を行う時点で日本の法律が適用されます。少しでも怪しいと感じたら、取引を始める前に必ず確認する癖をつけましょう。

不審な誘いを受けたときの行動をルール化する

いざ詐欺師に遭遇したときに、冷静な判断を下すのは難しいものです。そこで、あらかじめ「もし不審な誘いを受けたら、こう行動する」という自分なりのルールを決めておくことが、被害を防ぐ上で非常に有効です。

  • ルール1:お金の話が出たら、即ブロック:どんなに信頼している相手でも、一度も会ったことがない相手からお金の話が出た時点で、即座に連絡を断つと決めておきます。理由を聞いたり、交渉したりする必要は一切ありません。
  • ルール2:投資話は、まず誰かに相談する:魅力的な投資話を持ちかけられても、その場で即決しない。「家族に相談してから決める」「専門家の意見を聞いてみる」など、ワンクッションを置くルールを作りましょう。第三者に話すことで、客観的な視点を取り戻すことができます。
  • ルール3:送金する前に、必ず公的機関に確認:万が一、送金を検討してしまうような状況になっても、「送金ボタンを押す前に、必ず警察相談窓口(#9110)か消費者ホットライン(188)に電話する」と決めておきます。この一手間が、あなたの大切な資産を守る最後の砦となります。

これらのルールを自分自身と約束しておくことで、いざという時に感情に流されず、冷静で適切な行動を取ることができるようになります。

ロマンス詐欺についてよくある質問

ロマンス詐欺についてよくある質問

ここでは、ロマンス詐欺に関して多くの方が抱く疑問について、Q&A形式でお答えします。

ロマンス詐欺はどこからが詐欺になる?

法的に「詐欺罪」が成立するのは、「相手を騙す意図(欺罔行為)」があり、それによって「相手が騙され(錯誤)」、その結果として「財産を交付させ(財産的処分行為)」、それによって「犯人が利益を得る(財産の移転)」という4つの要件が満たされた場合です。

簡単に言えば、嘘をつかれてお金を振り込んでしまい、金銭的な被害が発生した時点で詐欺罪が成立すると考えられます。

ただし、「好きだ」「結婚したい」といった言葉が嘘だったというだけでは、詐欺と断定するのは難しい場合があります。重要なのは、最初から金銭をだまし取る目的で、恋愛感情を手段として利用したかどうかです。お金を要求された時点で、詐欺の可能性が極めて高いと判断し、すぐに行動を起こすべきです。

実際に会ったら安全?

「実際に会えたから、もう詐欺の心配はない」と考えるのは非常に危険です。前述の通り、会うこと自体が、より大きな詐欺を仕掛けるための罠である可能性もあります。

詐欺師は、対面することで相手を完全に信用させ、その安心感を利用して高額な投資話を持ちかけたり、借金を申し込んだりします。目の前で熱心に説得されると、断りきれずに応じてしまうケースは少なくありません。

また、会った後に豹変し、脅迫やストーカー行為に及ぶ危険性も考えられます。**「会えたかどうか」で安全性を判断するのではなく、「金銭を要求されたかどうか」を基準に判断することが重要です。**たとえ会うことができた相手でも、お金の話が出た時点で、すぐに関係を見直すべきです。

ロマンス詐欺被害のご相談はFDR法律事務所へ

ロマンス詐欺被害のご相談はFDR法律事務所へ

ロマンス詐欺の被害金を取り戻すことは、残念ながら非常に困難なのが実情です。犯人グループの多くが海外に拠点を置いており、身元の特定が難しく、送金されたお金もすぐに引き出されてしまうためです。

しかし、諦める必要はありません。一刻も早く専門家である弁護士に相談することで、被害回復の可能性を少しでも高めることができます。弁護士に依頼すれば、金融機関への口座凍結要請や、犯人特定のための法的手続きなど、専門的な知見に基づいた迅速な対応が可能です。

FDR法律事務所では、ロマンス詐欺被害に関するご相談を無料で受け付けております。「もしかしたら詐欺かもしれない」と感じたその瞬間に、どうか一人で悩まず、私たちにご相談ください。あなたのお話をお伺いし、最善の解決策を一緒に見つけていきます。被害の拡大を防ぎ、心の平穏を取り戻すために、私たちが全力でサポートいたします。

詐欺被害の事前調査・診断

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運営法人

弁護士法人FDR法律事務所は、詐欺被害の返金請求業務などを扱う法律事務所。代表弁護士は渡辺征二郎(登録番号16876、第一東京弁護士会所属)。投資詐欺事案においては過去3冊の書籍を出版している。

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