スマホアプリ「TiCall」を使った詐欺行為が確認されています。
本記事では、被害事例をもとに「TiCallで確認されている詐欺の手口、被害に遭ってしまったときの対処法」をまとめます。
なお、Ticallによる詐欺被害に遭ってしまった方は、弁護士による返金請求でお金を取り戻せる可能性があります。
お困りの方は、FDR法律事務所までお気軽にご相談ください。
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TiCallについて
TiCallは、iPhone(App Store)向けに提供されているメッセージアプリです。
「TiCall」に馴染みのある方は少なくないと思われます。
LINEと同じようなアプリで、スタンプは「いいね」「わかった」「こんにちは」など、利用頻度が高いものが搭載されています。
TiCallを使った詐欺の内容
TiCall関連で報告されているのは副業詐欺です。
具体的には、広告にアクセスした人に対し「仕事を紹介する」と言い、TiCallに誘導します。
TiCallで仕事を紹介し、業務に慣れてきたころに「業務にミスがあった」と文句を言ってきて、補填費用、違反金などの名目で、犯人グループは高額な金銭を要求してきます。
TiCall内で確認されている詐欺被害とトラブル
TiCallを使った詐欺として以下のような被害が報告されています。
被害報告1:「いいね!」でお小遣いゲット
複数のアルバイトを掛け持ちしているAさん。
金銭的なゆとりを作りたくて、副業を探していたところ、TikTok広告の「その日から3万円も夢じゃない!」という広告を観てアクセス。
広告を見て「次へ進む」ボタンを押したらTiCallへ誘導された。
TiCallでは、「サポートスタッフ」を名乗る相手から案件について説明を受ける。
案件は以下の内容だった。
- TikTokの広告を見て「いいね」をする
- 「いいね」をした画面のスクリーンショットを撮影し、TiCallでサポートスタッフに送る
タスクの成果を報告したところ、初日から3500円の報酬が発生。
最初のタスクを2週間続けたところ、別のタスクを紹介される。
タスクの内容は、最初に紹介されたものと同じ。単価が上がるというものだった。
新しいタスクでは1日あたり7000円の収入を得た。
その仕事を始めて1ヵ月が経ったころ、「規約違反があった」として、10万円の違約金を要求される。
被害報告2:YouTube視聴で副収入
生活に金銭的なゆとりをつくるため、副業を探していたBさん。
X(旧Twitter)で「すぐ始められる案件をご紹介」との広告を見つけ、アクセス。
広告では、「YouTubeの動画にいいねをつける」というタスクが紹介されていた。
広告を見終えると、TiCallへ誘導された。
不快に感じる情報はなかったので、続きを聞くことにしたBさん。
TiCallでは事務局を名乗る相手から案件(YouYube動画へのいいね)について説明を受ける。
報酬は、動画20本にいいねをつけるごとに、2000円。
内容に不満はなかったが、開始前に業務委託契約書が提示されなかった。
Bさん側から求めても、準備する旨を話されなかった。
不審に思ったBさんは、TiCallのアカウントを削除する。結果として被害を防げた。
TiCallを使った詐欺の手口
TiCallを使った詐欺は以下のような手口で展開されます。
誘い込みはネット広告
はじめは、TikTokやXに広告からユーザーを誘い込みます。
文言としては「副業」や「小遣い稼ぎ」などといった表現が見受けられました。
TiCallアプリへ誘導される
ネット広告では「稼げる」「儲かる」といった、こちらの警戒心を弱めるような文言が多用されています。
警戒心が弱まったところで、「話を聞く」というボタンを押すと、TiCallアプリのインストールを促されます。
(文言はアクセスする広告によって異なります)
案件について説明をされる
TiCall上では、「事務局」から案件について説明をされます。
最初の案件は以下の通りです。
【案件の内容】
- サポートスタッフから指定されたYouTube(TikTok)の動画を観て、視聴完了画面のスクリーンショットをTiCall上に貼る
- YouTube(TikTok)の動画を観て、いいねをつけ、そのスクリーンショットをTiCall上に貼る
最初はいわゆる広告ビジネス案件です。
YouTuberやTikTokrが一般的になっている事実を背景に「この案件は広告会社と連動しているから稼ぎやすい」と話し、こちらの警戒心を緩めてきます。
口座登録させられ仕事が始まる
こちらが承諾すると、事務局から「報酬振り込み用の口座を教えてください」と案内があります。
登録を終えると、すぐに仕事を始められます。
即日で報酬が振り込まれる
最初の仕事を終えると、早ければその日のうちに報酬が振り込まれます。
報酬は1日あたり2000円〜5000円程度です。
次の案件を紹介される
最初の案件を始めてから2週間程度で、次の案件を紹介されます。
次の案件も最初の案件と同様、YouTubeやTikTokに付随したタスクが多く見られます。
タスクの内容は大きく変わらないようです。
事務局から違約金を請求される
タスクをこなしていると、ある日サポートスタッフから連絡があり、「違約金」を請求されます。
名目は「違約金」「違反金」「解決金」などに変わる可能性もありますが、これが詐欺被害の大本になっています。
なお、ミスの詳細を聞いても明かしてもらえません。
TiCallで詐欺被害・トラブルに遭遇したときの相談窓口
詐欺被害の相談窓口として以下の3つが有効です。
弁護士
絶対に稼げる保証がないにも関わらず「稼げる」「高収入」と謳うのは景品表示法などに違反している可能性があります。
法律のプロである弁護士は、詐欺行為・トラブル以外の法律的観点からも救済策を提案できるケースもあります。
選択肢が多ければ多いほど、弁済と完全解決に向けた交渉が進めやすくなります。
警察
弁護士と合わせて警察にも連絡しておきましょう。
被害の弁済とは直接関係しない場合が多いですが、被害届を出し、警察に情報提供をしておくことは、事件解決に繋がる可能性もあります。
消費者相談センター
相談員が在籍しており、解決に向け、取れる手立てを示してくれます。
法律的見地という点においては、弁護士よりも専門性に欠けますが、初動対応としては消費者相談センターも有効です。